中高生にとって「第二の授業」とも言える部活動が、大きく変わろうとしている。少子化、進学熱、地域スポーツクラブ人気……。「部活」を取り巻く環境の変化を追いながら、そのあるべき姿を考えてみたい。初回は、部活を支える教員たちに焦点を当てる。
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中越地方の中学校で野球部副顧問を務める男性教諭(31)は、週末もほとんど休んだことがない。土日曜日に練習試合を組めば、朝7時半から夕方5時まで拘束される。オフシーズンの冬も放課後はほぼ毎日練習。たまに2歳の娘と遊ぶのが唯一の息抜きだ。
写真:写真説明
部活動は、若手教員の大きな負担になっている(新潟市内の中学校で)=写真と本文は関係ありません
野球は中学時代しかやっていないが、前任校では「若いから」という理由で野球部の主顧問を任された。「試合に負け、保護者から『監督の指導が悪い、もっと熱心にやってほしい』とおしかりを受けたこともあります」
遠征のガソリン代は支給されず、すべて自腹。休日の活動手当は4時間以上働いて1200円。部活動中に目を離し、生徒がけがをすれば管理責任を問われかねない。いい加減な気持ちで務まる仕事ではない。
「部活の意義は認めているし、できるだけ指導もしたい。だからせめて見返りを充実させてほしい」。男性教諭はそう訴えた。
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教員採用の抑制で、部活を任される若手教員の数が減った分、個人の負担が増している。「土日に部活をしないと、同僚や保護者、生徒からまで熱心でないと言われる」「県全体で土曜日は部活を休止と定めてほしい」……。県教職員組合青年部が昨年夏、22〜32歳の小中学校の教諭ら約2400人(回収率55%)を対象に行ったアンケートには、こんな悲痛な声が寄せられた。部活の意義は認めつつも、ボランティアで指導することの限界を訴える声が目立ち、「部活より授業で勝負できる教員でありたい」という声も多かった。
アンケートによると、この年代で部活を指導している教員は86・4%。多くが土日返上で勤務し、「土日は活動休止」はわずか5・5%。「土日に限らず活動休止日はある」も40・5%にとどまる。
県教職員組合の橋本和士執行委員(35)は「昔から部活は矛盾を抱えていた。近年、地域型のスポーツクラブの成功例も出てきたため、教職員の部活の負担を軽減し、学校本来の役割である学習面の確保を第一に考えるべきとの声が強まっている」と話す。
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「若い」という理由だけで、よく指導できない分野の顧問を任され、悩む教員も少なくない。新潟青陵大短期大学部の高山千代助教授(53)は、県内69中学校のバスケットボール部指導者90人を対象に調査した。その結果、活動が盛んで競技レベルの高いバスケでさえ、競技未経験は31・4%を占めた。
高山助教授は「未経験者は生徒とのコミュニケーションを十分に図れず、信頼関係を築くのが難しい。保護者からも口出しされ、部活をやろうという気になれない。負担は相当大きいはず」と心配する。
その点、新潟大教育人間科学部教員養成コースの学生は、部活の指導にも意欲的。「将来は教員として部活動の顧問をやる」という自覚を持ち、経験のないスポーツでも知識を身につけようと努力する学生が多い。
スポーツ指導者などの研究をしている同学部の森恭助教授(42)は、「部活を熱心に指導しなければならない制度上の根拠や義務はない。熱心にやっても『先生の個人的な趣味』で片づけられてしまう。指導者の待遇と部活に期待する教育効果を明確に示すべき」と指摘する。
教員に代わる外部指導者や部活に代わる地域型スポーツクラブなど、「学校外」にスポーツ活動を委ねる動きは今後、さらに加速するとみられている。
そうなんだよな。
未経験の部活だと、ほぼベビーシッター状態。
生徒を成長させる喜びもない。
金はもらえないが、時間だけは無駄に浪費される。
そして、
「土日に部活をしないと、同僚や保護者、生徒からまで熱心でないと言われる」
これだよね。
この無言の圧力が、教員を無償の長時間労働に追いやる。
そして、その圧力はものすごく大きいので、ほぼ強制と言える力を持っている。
だから、部活は無償の強制労働なんだよな。